9月4日(火)
4日目にして既に曜日の感覚がなくなっています。

5:40
腕時計の目覚ましで起床し、準備をしてヨガ教室へ。
昨日まで参加していた太極拳と時間が重なるので、どちらかを選択することになります。せっかくヨガマットを持参したので、しばらくはヨガに通いましょう。

6時に集まったのは50人程度でしょうか。8階スターライトのホールは満室状態です。
少々狭いですが、仲良く場所を分け合ってスタート。
あまり過激な動きもないのに、50分間の講習でしっかり汗をかきます。朝の運動としては良いようです。

ヨガ教室が終わると今度は8階後方のデッキに移動して「ノルディックウォーク講習会」こちらも40人くらいの参加で、かなり賑わっています。(やや年配の人が多いかな。)
今日は準備運動と基本的な歩き方で終了。明日はストックの使い方を習います。目指せ!皆勤賞!

7:00同室のSさんと一緒に9階で朝食。
8階のメニューは簡単なもので、ハム、チーズ、野菜、目玉焼きと、いくつかの料理くらいです。でも、朝はこれで十分でしょう。
(9階で食べた直後に4階でもう一度食べる人もいるようですが・・)

午前中は比較的ゆとりがあるので、8階ピースボートセンター付近でふらふら。
「全員と写真を撮る!」というテーマで声をかけまくりの女子大生と写真を撮り、29歳の個人投資家と囲碁を打ち(大差で負け)、読みかけの「ユリシーズ」の9章をなんとか読み切り、そしてパソコンで日記をパチパチ。

外は雨。台風は避けたものの、台風の中心へ向かう強風のため、右舷側のデッキに出る扉がすごい状況になっています。全力で押さないと開かない様子で、ちょっと危険かなあと思っていたら、ほどなく閉鎖されました。
それでも、風が船の進行方向から吹いているので、船内はびっくるするくらい静かです。

デッキ立ち入り禁止
荒天のため、デッキは立ち入り禁止

ここまではゆとりですが、本日後半は忙しくなります。

10:45〜11:45 廈門航路説明会
はじめにピースボート事務局長さんの航路と気象のお話。
1ノット=1.852km/時であること。
1マイル=1.852kmであること。
地上のマイルと長さが違うこと。
1.852kmという数字には、ちゃんと意味があったということ。
(地球の中心核1分の距離とか)
台風と風の関係など、ほとんど中学理科の気象の勉強でした。

航路説明会 ほぼ理科の授業

今回の旅では、太陽が真上を通る日があるそうです。
影のまったくできない瞬間が見れるかもしれません。

続いて、廈門の情報。
通貨のことや帰船の時刻やらの説明など。
驚いたのは、我々がいなくなった日中に、
現地の人の見学会を企画していること。
ぜひピースボートを世界に広めて下さい。

最後に簡単な中文講座。
「トイレはどこですか」も習い・・・既に忘れ・・

昼食はビュッフェで若者からテレビ業界の情報を拝聴して終了。

13:00〜14:00 水彩画講習会(岩井由美子先生)
なんと150人が集まって、岩井先生の水彩技法のレクチャーと実演。
画用紙に水をなみなみと塗りつけ、絵の具を滲ませ拭き取るという衝撃の技法でした。
自信ないですが、これもご縁ということで、正式に申し込もうと思います。

14:00〜15:00 「ウクレレ演奏サークルのスタート」
参加者は10人よりも少し多いくらい。
サークルとしてはまずまずの人数と言えましょう。
明日から本格的に練習に入ります。

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15:05〜16:20 ファウジア・ハサンさんの講話
「難民として生きるということ、私たちにできること」
1分間に世界で30人が難民になっているという事実に衝撃を受け、平等と公平は違うという視点を学びました。

こんな例が出されました。
「背の高い人と、中くらいの人と、低い人に同じ踏み台を与える。
これは、確かに平等である。
でも、背の低い人は塀の向こう側が見えない。
背の低い人には、塀の向こうが見えるような高い台を用意する。
すると全員が同じ景色を見ることができる。
これが公平ということ。

私は医者として自立し活動しているが、男女平等だけなら何もできなかっただろう。

不利な面があるからその分を補うように公平にしてもらえたから、今の私がある。」

なるほど、大切な視点です。
本日1番の学習だったかもしれません。

16:25〜17:40 片岡英夫さんの講話
「夢とロマンの世界遺産講座① 日本と中国の世界遺産」
所々で笑いを取りながら元気に話を進める片岡さんの話術に引き込まれ、あっという間に講話が終わりました。世界遺産金閣寺の知られざる真実や、登録までの政治的な駆け引きなど、興味深く盛りだくさんでした。

18:00〜19:15 キップ・ケイツさんのワークショップ
「世界の言葉と文字」
9ヶ国語を駆使する鳥取大教授のキップさんのワークショップです。
いろいろな国の文字の特徴や読み方のヒント、そして6ヶ国語の基本会話と、こちらも盛りだくさんの実習で、しかも宿題も出されました。この歳になって宿題をいただいたことに感謝しなければなりません。

世界の言語と文字の講演会
キップケイツさんの講演会

夜の講演まで1時間。
急いで夕食に向かう。
まるで修学旅行だな・・

20:15〜21:30 ICAN ノーベル平和賞受賞記念講演会
「核兵器のない世界をつくるまで」
ピースボートのそもそもの理念の話から、icanのメンバーとして活動するまでの経緯など、この船に乗ったからには聞かなければならない話。核兵器はいらないと、世界の3分の2が条約に賛成したのに、残りの3分の1に日本が含まれている事実。
現在、核兵器は世界に14450発あること。
ネットからの不正操作で発射されるリスクもあるということ。
日本が条約を批准できない理由。
たくさん勉強しました。

「日本の舵取りを」と、総裁選挙で言ってる人がいますが、舵取りは総理大臣がするのではなく、国民が行うという国民主権の意味をもう一度考えたいものです。
政府は、国民が判断して舵を切った船を運ぶエンジンでしかないのです。

ところで、今やってる「○○党総裁選挙」って、総裁を決めるのですよね。そもそも「日本の舵取り」じゃなくて「○○党の舵取り」というべきかな。


今日は、講演会が中心の1日でした。
ピースボートは、ただの観光船ではありません。世界のこと、日本のこと、平和のことをみんなで考え深めていく船です。観光旅行ではなく、修学旅行なのです。
そのことを再認識させられた1日でした。

その視点で船の中を見ると、「世界を移動する大学」だな、と思えてきます。
必修科目あり、選択科目あり、学生が立ち上げるサークルあり。
そう、ここは大学なのです。
そう考えると、私は逆に気持ちが楽になります。

講演の時は、通訳を通し日本語・英語・中国語の3ヶ国語で語られます。
3つのスクリーンの画面も、それぞれ別の言語表示です。
なかなか国際的で、面白い空間。

夕食時、日本人の若いカップルと一緒になりました。
二人でピースボートを選んだことに驚きつつ、
こんな若者がいるなら日本も大丈夫かも、なんて思ったりもします。

学びの多い1日が終わり、寝る前に時計を1時間早めて就寝します。
時差調整というやつです。

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